アトピー当事者としていま私が10年前の自分に伝えたい4つのこと

最近自分より若いアトピー当事者の方々と対話をする機会が増えてきました。

若い当事者の方々がアトピーに苦しみ、将来に希望が持てない様子をみると、自分と似た波乱万丈のアトピー人生を歩むのではないかと胸が苦しくなります。そうなって欲しくはないと、対話のなかで、色々自分の経験してきた事やそこから学んだ事などをお話しています。

そこで今回は現時点で自分が見えているアトピーのことで、もっと早く若い時に気付けていればなぁと思うことについてまとめてみました。

1) アトピーは再発性が高く、ヘタしたら生きている間ずっと最重度化するリスクがつきまとう

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私が初めて寝たきり状態になる程にアトピーが重度化したのはちょうど10年前の20歳のときです。

それまでずっとステロイド剤に依存し乱用もしていた私は、最も強いレベルのステロイドを塗っても症状を抑えられず、ある日突然脱ステを始めました。両目の視力を失うほどの生き地獄のなかで、「今を乗り越えさえすればアトピーから卒業できる」と思い、とにかく耐え続けました。

その後一度社会復帰をしましたが、また2年ほどして重症化して再び寝たきり生活を送ることになります。

その時も私は「運悪くまたこうなってしまった。でもこれさえ乗り越えれば今度こそアトピーから卒業できる」という思いで、必死に耐え続けました。この時の一番の悪化原因は、当時勤めていた会社が自分に合わず、そのストレスのせいだと思っていました。

回復後は職場を変えて、しばらくまた社会人生活を送っていましたが、三度目の寝たきり生活を送ることになります。「またか・・。自分は会社員として働くこと自体がストレスに感じるのかもしれない。もうこの際、独立しよう。これで会社員生活とともにアトピーからも卒業だ」という思いで療養生活を送っていました。

そして独立してから4度目の寝たきり生活を送ることになったときには、「この先も仕事中心の人生を送っていたらまた何度も倒れることになる。きちんとアトピーと向き合わなければ、自分は一生アトピーから卒業することはできない」ということを悟り、その後untickleを立ち上げます。

立ち上げ時は、起業して毎日アトピーの事を考えるんだから、もう自分のアトピーは悪化しないと思っていました。

実際はuntickleを立ち上げてからも何度も寝たきり状態になり、現在に至ります。

私はかなりアトピーをこじらせているケースなので、全てのアトピー当事者がこうではありませんが、当事者である以上、こうなるリスクは常に誰にでもあります。

一つ不幸中の幸いといえば、会社員生活は合わないから独立しよう、と思ったときに、自分に仕事にできる強みがあったという点です。たまたま自分が日本と韓国のハーフで、どちらの言語も日常生活と仕事の両方で使っていた為、独立してもどうにかやっていく事ができました。

アトピーと仕事についての悩みは残念ながらよくあるテーマなのですが、私は若い方々に、将来私のようになるかもしれないから、何の分野でも良いから一つ武器を持っておいた方が良い、と言うことをお伝えしています。

2) アトピーである自分を受け入れることなしにアトピーの繰り返される苦しみから解放されることはない

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1,2,3回目の重度化・寝たきり生活の最も大きな誘因はアトピーを一過性の疾患だと認識し、アトピーについての理解を深めたり、一度寝たきり状態から抜け出すと、アトピーである自分を忘れて生活してしまったことにあると思います。

当時はまだそんなにITが発達していませんでしたし、アトピーについてきちんと知る機会が今よりも少ない時代でしたが、それにしても苦しい経験から学ぶことがあまりに少なすぎたなと思います。

当時は学ぶよりも苦しい記憶を頭から消したい気持ちの方が強く、そうすることがメンタルを維持できる唯一の方法だと思っていたのですが、アトピーの場合、これはプラスよりもマイナスの側面が多いことに、後になって思い知りました。

3) アトピーを受け入れるだけでは、アトピーは良くならない

Progress
さて、4度の寝たきり生活を経て、26歳にしてようやくアトピーである自分を受け入れuntickle活動を始めたのですが、それまでアトピーのことを意識的に避けてきた自分にとって、これは大きな人生のターニングポイントでした。

それまでアトピーのことで起業しようなんて1度も考えたことがなかったですし、今思うとほぼ勢いとノリで起業をした感がありますが、untickleを始めたことで自分にしかできない「使命感」というものを初めて強く感じることができたので、後悔はないですし、導いてくれた周りの方々にとても感謝しています。

ただ、問題は、アトピーを受け入れることはあくまでもファーストステップであり、それだけでは自分のアトピーが良くなるわけではない、という事に中々気付かず、結果4年以上の間、また何度も寝たきり状態を繰り返してしまいました。

起業4年目にして、ようやくアトピーを受け入れることとアトピーを良くすることは別軸であり、後者はセカンドステップであることに気付きます。きっと運や要領の良い方はもっと早くにここまでたどり着くのでしょうが、私の場合はどちらも良い方ではなく、30年かかりました。

4) アトピーを良くするには、アトピーへの理解および対策のバランスと質が必要不可欠であり、自分の症状・体質を可視化することはその効率を高める

Balance concept
そんなこんなで、紆余曲折を経て30歳にしてアトピーを良くすることに本気で注力し始めたのですが、まず最初に行ったことは、4年間のuntickleの活動の中で入手したあらゆる情報をもとに、断片的ではく、体系的にアトピーに関連することを再整理することでした。

体系的というのは、例えばアトピーは皮膚のバリア機能が弱い、腸内環境に問題がある、自律神経系が乱れている、といった情報だけでなく、栄養と皮膚・腸内環境の関連性であったり、自律神経と骨の関連性など、様々な側面からアトピーについて考える、ということになります。

また、これまで30年の経験で気付いたことは、むやみにアトピーに良いとされる対策を取り入れたところで良い結果につながらない、ということでした。

特に私のようなこじらせアトピーの場合は、悪化原因が複雑であるからこそ、その対策が「排泄」目的なのか、それとも「補給」なのか、排泄する対策ばかりになっていないか、排泄・補給力があるか、ストレスケアはおざなりになっていないか、などとにかくバランスと質が大事だと感じています。

またTARCやDNA検査などで自分の症状や体質を知っておくことは、それにもとづいた対策が可能であるため、とても有効です。

今のところuntickleとしては、体内の状態を最も詳しくかつ効率よくチェック方法は、周波数を使った健康管理デバイスを活用することだと提唱しています。これを活用すると、例えば自分の副腎や白血球、毛細血管など、アトピーに関連し得る全ての部位の状態をリアルタイムで把握することができます。

一つ注意が必要なのは、これらはアトピーへの十分な理解と具体的な対策が付随しなければ大きな価値にならない、という点です。

以上、過去の自分に伝えたいことについてまとめてみました。上記はあくまでも個人的なざっくりした意見で細かい説明はかなり省略していますが、少しでも参考になれば、と思っています。

この記事を書いた人

野村 千代
野村 千代
untickle発起人。生まれつきアトピーで重度の症状により過熟白内障を患い失明状態に。その後も症状の悪化により3度社会生活を中断。2013年に本格的なアトピー改善に取り組むも、情報混乱のせいでなかなか自分に合う対策法が見つからず、苦労したことがきっかけで、untickleを立ち上げる。
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