【アトピー経験を仕事に01】アトピー対策カウンセリング─川浪さくらさん

私たちアトピー当事者の世界では、症状の重症化によって言葉に言い尽くせない苦しみを経験することは、残念ながら珍しいことではありません。

その苦しみから開放された後の人生をどう生きるかは人それぞれですが、中には、その経験を活かしてアトピー貢献活動に捧げようと精力的に活動を続けている方々がいます。

untickleではそういった方々と連携し、アトピー経験者による当事者の為のエコシステムを築くアトピースポット、略して「アトスポ」プロジェクトを立ち上げました。

【アトピー経験を仕事に】は、そのアトスポ会員の方々が、どんな考えを持ってどんな活動をしているのか、といった事についてのインタビュー記事になります。

第一回目は、アトピー対策カウンセリングをおこなっている川浪さくらさんです。

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──お仕事の内容を簡潔に教えて下さい

川浪さん アトピーでお悩みの方に、心のケアに加え、水素風呂、デトックスプログラム、ヨーガセラピー、キネシオロジー等の対策の提案・サポートなどを行っています。

──ご自身のアトピー歴を教えて下さい

川浪さん 18歳で上京して4カ月後に、全身にアトピーが発症しました。それからはステロイド治療から始まり、脱ステ、漢方、温泉、ステ再開、断食・・・と、いわゆる「アトピージプシー」を繰り返しました。

そうして試行錯誤という名の人体実験を繰り返した先に、やっと自分に合った改善策が見つかり、2年前からはステロイドも使わず、回復の経過を辿っています。

現在は、主に色素沈着対策として水素風呂や食事、保湿剤等を試し続けています。

──なぜこのお仕事を通じてアトピー当事者の方への貢献をしようと思われましたか?

川浪さん アトピーが深刻で鬱状態にもなり、それを克服する頃には、「自分が治りたい」という思いで自然治癒力の情報収集をしていましたが、徐々に「人はどうやったら健康になれるのか?」という探求心が強くなりました。

そして自分のアトピー人生経験を活かしたカウンセリングこそ、自分にしかできない仕事ではないか?と思うように。それからは、新しい改善策を試すこと自体が楽しくなり、積極的になりました。

──この仕事を通じて、当事者の方のどのような問題・ニーズに貢献したいと考えていますか?

川浪さん 私のカウンセリングには、大きく3つの軸があります。
① 頭・気持ちの整理を促す
② アトピーに関する、正しい知識を知って頂く
③ 改善に効率的に繋がりうる思考などについて知って頂く

①に関しては、恐らく当事者であれば誰もが、「アトピーが辛い。どうにかしたい」という思いを抱えています。ですが、こういった思いは感情的かつ抽象的であり、本格的な改善の為には、もっと客観的かつ具体的に自分のアトピーと向き合う必要があります。

そこで、いま何が最も悩みなのか、何の対策から取り組むべきなのか、どんな状態を目標とするのか、といったことを一緒に整理していきます。

②に関しては、皮膚や、体内で起こっている事はもちろん、メンタル、皮膚科医の現状、アトピービジネス等、アトピーにまつわる様々な偏見や先入観を正すことで、ストレスや怒りの軽減に繋げていきます。

③に関しては、改善策は一つではないからこそ、自分がより日常に取り入れやすい事を組み合わせれば良い、という発想に気持ちを切り替えて頂き、そのうえで、求められれば改善に効率的に繋がりうる情報を提供しています。

ちなみに、よく「カウンセリング」 = メンタルケアと思われがちですが、少なくとも私はアトピー当事者にはメンタルケアだけでは不十分であると考えているため、上記3つの質とバランスを重要視しています。

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──お仕事の内容に関して、ユニークポイント、強み、特に気をつけている事などを教えて下さい

川浪さん ユニークポイントと主に気をつけている事は、
・ 統合医療医とも連携していること
・ 上記で述べた3つの軸のバランスを崩さないようにすること
・ 目標に合った改善策の提案に徹すること
・ 自身の経験してきたことを伝え、その経験則から思考などについての助言をすること
・ すべて自分で人体実験済みの改善策しか提案しないことに徹しているがゆえに、熱く語りすぎて押しつけにならないようにすること

といった点です。
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──数年後の目標と、将来の展望は?(この仕事によってどんな社会を実現したいか)

川浪さん 一つ目は、アトピーにはカウンセリングが必要であるということを、社会常識にしたいと思っています。

アトピーは悪化原因が複雑で対策の数も相当多いうえ、情報が乱立していて探しにくいので、当事者一人の努力では満足できるレベルに改善するのが難しい現状です。

改善するまでの過程をできるだけ縮め、かつ心が折れないようサポートすることがアトピーにおける必要なカウンセリングであり、こういったカウンセリングの認知拡大を目指しています。

二つ目は、統合医療の先生方やいわゆる民間療法の施術をされている方々と連携し、アトピー改善に繋がりうる、統合医療・民間療の対策法がもっと保険診療の対象となることで当事者の負担が少しでも減るよう、働きかけていきたいと考えています。

これには、
・ 当事者と医療の間に立ち、必要であれば架け橋となるのが私の考えるアトピーカウンセラーの役目である
・ アトピー改善には統合医療・民間療法の対策が有効となる場合が多い
・ アトピーの改善に繋がりうる上記対策は、保険適応されているものが少なく、高額であることが多い

といった背景があります。

この実現に向けての第一ステップとして、統合医療医である小池弘人先生が代表を務める日本統合医療センターという、医師と民間療法師が連携し合う団体の立ち上げメンバーとして活動をおこなっています。
▶日本統合医療センターHP http://www.im-center.jp/

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──仕事をしながら、アトピーを悪化・再発させないように、どのような工夫・生活をしていますか?

川浪さん 20代のときは、自分のアトピーを日々悪化させている原因が全くわからず、たびたび職場に迷惑をかけていました。

その後、大食いが自分の一番の悪化原因だということを知り、断食・少食を通して体調をコントロールできるようになりました。その後の仕事では、1度もアトピーの悪化で休んだことはありません。逆に、休みの日に限って体調を崩すことが度々あり、まさに「病は気から」だということを体感しました。

こういった経験から、自分なりのコントロール法を習得すれば、まずは体調をある程度維持することができる。そしてその基盤が出来ると、より本格的な改善策にも力をいれられる、ということを実感しています。ちなみに私のコントロール法としては、大食いを抑え、白砂糖や良くない油脂を控えめにすることを続けています。

──最後に、当事者の方々へのメッセージをお願いします

川浪さん アトピーを改善させるには、まずは何か具体的な目標をつくることが大切だと思っています。

私はアトピーで苦しんでいた時期に、「このまま私は一生まともに仕事ができないし、夢も持てない・・・」と諦めていたところ、ある時、レースクイーンをしていたアトピーの友人に出会い、衝撃を受けました。

その友人を通じて、アトピーだからと諦めるのではなく、改善したらやりたいことを具体的にして目標とすることが、早く改善することへの近道だということを知り、誰のどんな励ましよりも元気が出ました。

実際、改善してからは、某有名結婚式場、ディズニーランド、歌舞伎役者の付き人など、どれもやりがいがある仕事につくことが出来ました。

私の場合、沢山遠回りしてキラキラした20代を送れませんでしたが、今の若い方には、そんな思いをして欲しくないと思っています。もし今周りに信頼して相談できる人がいなくて、お一人でアトピーに苦しんでいる方がいましたら、ぜひ一度ご連絡下さい。

川浪さんのカウンセリングについてもっと知りたい方、コンタクトをとりたい方はこちらをご参考下さい。
▶ 統合医療クリニックと連携したアトピーカウンセリング・さく家
http://store.untickle.com/sakuya

この記事を書いた人

野村 千代
野村 千代
untickle発起人。生まれつきアトピーで重度の症状により過熟白内障を患い失明状態に。その後も症状の悪化により3度社会生活を中断。2013年に本格的なアトピー改善に取り組むも、情報混乱のせいでなかなか自分に合う対策法が見つからず、苦労したことがきっかけで、untickleを立ち上げる。
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