漢方医学を理解したうえで民間療法を取り入れると、アトピーの改善率はもっと高まる

皆さんはアトピー対策として漢方や鍼を試したことがあるでしょうか??

私は小学生のとき半年ほど煎じた漢方を飲んでいました。当時はまだ幼くて漢方のことなんかよく理解できず、ただ得体の知れない苦い汁を嫌々飲まされていたという記憶があります。飲むこと自体がかなりストレスだったこともあり、結局これといった効果を感じられずに辞めてしまいました。性格に合わない対策は試したところであまり効果がない、というuntickleの考えはこんな実体験からきています(笑)。

ところでこの漢方含めた漢方医学ですが、実際は沢山の当事者の症状改善にかなり貢献しているようです。

“アトピー患者1035人に体内アトピー原因の解決の為の漢方処方と人体の循環力を増進させる鍼治療などを併行した結果、全体患者の87.7%に客観的アトピー症状点数(Objective Scorad Index, 以下OSI)の減少が起き、平均OSIは初診時の54.4から最終的に32.4まで低くなった” ※1

程度の差はあれど調査対象の9割近くの当事者が漢医学によって症状が改善されているとのこと!これは自分が想像していたよりも相当に高い数字です。

そこで今回はこのアトピーと漢方医学に関して調べてみました。なお、本記事における漢方医学とは韓国の韓医学のことを言いますので予めご了承下さい。

漢医学の観点で見ると、アトピーの症状部位によって悪化原因が具体的に推定できる

首 アトピー

“漢方医学ではアトピーが発生する原因を腸管壁浸漏症候群、いわゆるリーキーガット症候群として捉えていて、これに従った治療法を適応している” ※2

ちなみにこのアトピーとリーキーガット症候群に関しては以前untickleでも記事にしたことがあるので、詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい。
アトピー治療の鍵は、リーキーガット症候群(LGS)だった

“皮膚は外部刺激に対する一次的防御器官であると同時に、内臓に生じた異常症状が発現される鏡と同じ器官であるため、絶えず再発するアトピーに異常部位だけ除去しようとする代わりに、体から発生した根本的不均衡を治療しなくてはいけない” ※3

“皮膚は内臓の鏡だと言われています。消化器系統は顔に、肝臓は横隔膜付近の皮膚に、ストレスは首に現れます” ※4

皆さんはどこに主に症状が出ているでしょうか??ここ最近の私は顔と首に症状がしつこく出ているのですが、どうやら消化器系とストレスが改善の邪魔をしているようですね…。

漢方や鍼を使う漢方医学の世界にもアトピー治療ガイドラインがある

Oriental Medicine
現在日本ではアトピーに関しては皮膚科のみがアトピー治療ガイドラインを定めていますが、お隣韓国では皮膚科に加え漢方医学でもガイドラインが存在します。

“2015年に改訂された韓国韓医学研究院のアトピー漢医臨床診療指針によると、アトピーの漢方医学的病状は原因を「風, 湿, 熱」に分類し、「清熱, 利湿, 去風」を中心に治療をする。治療指針では幼児・児童のアトピー患者は「湿熱, 胎熱, 脾虛風燥」に、成人は「風湿温膚, 湿熱互結, 脾虛湿温, 血虛風燥」と診断することを提示した。このような分類が多様なアトピー患者のタイプを全て反映することはできないが、標準化された治療の基礎となり得る” ※5

“アトピー治療は変動期、排毒期、好転期、管理期の4段階に分けて行われ、この中で排毒期に症状が悪化する「瞑眩(めんげん)現象」が表れる” ※6

“根本的なアトピー原因は体内の過度な熱と毒素を作り出す臓腑と細胞代謝の問題であり、これを改善し体質を変化させてこそ再発のないアトピー完治が可能になる” ※1

このように漢方医学では原因を具体的に3つの概念に分類し、当事者を幼児アトピーと成人アトピーに分け、それぞれに対してこうするべきだというガイドラインがあります。

実際の治療においては患者の症状が前述の4ステップのうちのどこに当てはまるのかを見定め、さらにどの部位に特に症状が出ているのかによって漢方などを処方し、悪化原因を取り除きアトピー体質を改善していくとのこと。

漢方医学でアトピー治療がこんなに体系的になっているとはこれまで知らなかったので、今回の調査は個人的に漢医学の有効性を再認識する契機となりました。

当事者は漢方医学について理解したうえで、身近な民間療法を積極的に取り入れるべき

民間療法
漢方医学ではもちろん漢方がメインではありますが、他にも鍼やお灸なども治療としてよく使われています。

今日の日本でもこれらはいわゆる「民間療法」として一般的に浸透しています。しかし残念ながら施術者の中で漢方医学を用いたアトピー治療に関して深い知識を持っている方はまだ少ない印象です。それでも私たち当事者が漢方医学をある程度学んだうえで、身近にある民間療法を取り入れることはアトピー当事者にとってかなり有効であると言えるでしょう。

鍼やお灸などに加え、湯治なども日本では取り入れやすい民間療法です。湯治は特に低体温の当事者にとって有効で、低体温によるアトピーへの悪影響は漢方医学でも改善すべき問題とされています。

“深部温度が下がると血流量もまた下がり、特に35.5度以下にもなると、皮膚へ行く血流量が1/6または1/8まで減少し、免疫力低下でアトピーなどの皮膚疾患が発生、または疾患悪化となる” ※3

ちなみに湯治に関してはこちらの記事もぜひご参考下さい。
湯治でアトピーを本格的に改善させるには場所よりも継続が大事

また日本でもアトピー対策として漢方を取り入れている方は一定数いらっしゃいますが、特にステロイドの使用を減らしたいと考えている当事者に対してその有効性が多く報告されているようです。

“日本ではステロイド薬を長期間使用した患者にステロイドを減らす目的として柴苓湯を併用した報告が沢山出ている。柴苓湯は視床下部 – 脳下垂体 – 副腎系を刺激し、コルチゾール分泌を促進するとして知られていて、ステロイド減量、離脱時のアトピーの治療及び色々な疾患に応用されている” ※5

本格的に脱ステを考えている当事者の方は試してみる価値があるかもしれません。

ちなみに日本の皮膚科は西洋医学の思想に基づいているため、多くの皮膚科医は民間療法は「科学的エビデンスが乏しい」といった理由で高く評価はしないでしょう。確かにその通りですが、本質的には民間療法の多くは漢方医学に基づいた価値ある施術です。

ただし原因療法である漢方医学のやり方の場合、症状の程度にもよりますが、その過程はかなりの痛みと痒みが伴い、日常生活に大きな支障がでることも予想されます。

個人的には全ての当事者がこの方法のみに沿ってアトピーを改善すべきだとは思いません。現実的には自分の症状や環境に合わせ、西洋医学も併用して取り入れていくのが良いかと。

今回の調査をしながら、私たち日本の当事者は、漢方医学についてもっと積極的に学ぶべきかもしれないと感じました。身近にある民間療法をただ「良さそう」だからと取り入れるのではなく、理解したうえで取り入れることで、だいぶ効果も違ってくると思います。

漢方医学については引き続き調査をして、untickleとしてもっと有効な情報や仕組みを提供していきたいと思います。

※ 文中で使用している漢字語は、理解しやすいように現代の漢字に変換してあります。
※1引用元: 한의학적 아토피치료로 87.7% OSI 감소, 아토피치료법 담은 논문 눈길(한국아이닷컴 최샛별, 2015/11/9)
※2引用元: 성인 아토피 치료, 식습관 개선이 ‘첫걸음’(헤럴드경제 최나래, 2014/12/30)
※3引用元: 하루 종일 돌아가는 ‘히터’, 성인아토피 환자 ‘고통’(헤럴드경제 이정환, 2016/1/10)
※4引用元: 피부는 내장의 거울, 속을 다스리면 피부 좋아져(조선매거진 김남일, 2015/12/4)
※5引用元: 아토피피부염 진료지침에 따른 한약제제의 활용(상)(민족의학신문 윤영희, 2016/6/22)
※6引用元: 난치성 아토피피부염, 한방 치료 후 악화됐다고?(쿠키뉴스 송병기, 2014/7/4)

この記事を書いた人

野村 千代
野村 千代
untickle発起人。生まれつきアトピーで重度の症状により過熟白内障を患い失明状態に。その後も症状の悪化により3度社会生活を中断。2013年に本格的なアトピー改善に取り組むも、情報混乱のせいでなかなか自分に合う対策法が見つからず、苦労したことがきっかけで、untickleを立ち上げる。
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