6回目のアトピー療養生活で味わった絶望感と、その経験を得ていま思うこと

皆さん、こんにちは。またしばらく更新が滞ってしまいました。

一言で言ってしまえばまた療養をしていたのですが、今回はちょっと特殊なケースでした。
ご迷惑&ご心配おかけした方々への報告の意味も兼ねて、あまり明るい内容ではないのですが、久しぶりに自分のことを書こうと思います。

6度目の寝たきり生活と叩く習慣

叩く
今回の療養は6度目でした。その内、ほぼ寝たきりの期間は、3ヶ月くらいだったかと。またしても頭皮から足先まで全身症状が出てしまいました。特に顔のアトピーがなかなか改善せず、他の部位に比べ今もしつこく痒みが出ています。

1日中顔が痒いので1日中掻きむしり、さらに治まらない痒みをどうにかしようと手の平で顔を叩き始めました。

叩くという行為は、掻きむしるとは別の快感に近い刺激があるうえ、叩いている間だけは痒みもストレスも紛れます。徐々に掻きむしるよりも叩く頻度が高くなり、次第には叩くこと自体が習慣化してしまい無意識に頻繁に叩くようになってしまいました。

以前同じような経緯で視力を失ったことがあるので、目に悪いと頭ではわかっていながらも止めることができず、頻度ばかりが増していきました。一応目は直接叩かないように意識はしていましたが、恐らくは無意識に目の周辺にも手がいっていたのではないかと思います。

重度のアトピーによる目の異常と手術

目
そして叩く行為が習慣化してから、ある日両目に違和感を感じ始めました。

まさか、と思いながらも特に何をするでもなく、10日程経過すると目のかすみが強くなったことを自覚し、違和感が恐怖に変わっていきました。

9年前に視力を失ったときと同じ状態になりつつある。「白内障が再発した…。」
→ 参考記事:アトピーの私が白内障を併発した時の話

それから程なくして近所の眼科に行き検査と診察を受けた結果、想定していた白内障ではなく、なんと目の組織が崩れていて、そのせいで視力が低下しているかもしれないとの事。

その時の医師の説明はきちんと理解できなかったものの、すぐに大病院に行くよう紹介状を渡されたことから、何となく白内障よりまずいことになっていることを察知しました。

数日後、信濃町にある大病院へ行き改めて検査を受けたところ、白内障専門の医師から右目の毛様体が破れ、奥側にある硝子体の一部が前に出てきてしまっていて、そのせいで視界が見えづらくなっているのでは、との診断結果が。

アトピーのせいで目の組織が崩れ得るということ自体を知らなかったので、驚きはしたもののそれだけ聞いてもいまいちピンときませんでした。

とりあえず手術で取り除いてもらえば良い話かと思い、「じゃあ手術ですかね。早めにお願いします」と尋ねると、深刻な顔で「もし前に出てきた硝子体を取り除くとなると、毛様体などで固定されている眼内レンズが動いて外れてしまったり、網膜を傷つける可能性もありで、手術は相当難しいから今の段階では薦められない」との返事をうけ、やっと事の深刻さを理解し、一気に絶望モードに。

既にもう視界がそれなりに見えづらくなっているのに、すぐに手術ができない。それに顔はまだ真っ赤で痒みもあるので、もうしばらくは無意識に掻きむしったり叩いたりしてしまうだろうから、どんどん悪化する可能性が高い。手術をしたとしてもリスクが高く、どこまで視力が回復するかも分からない。

「そんなに手術が難しいんですか。でももうこの視界では生活にだいぶ支障が出てるので、リスクが高くても早めに手術を受けたいです」
「う〜ん・・ひとまずもう少し様子を見てから・・・」

といった会話を何度か繰り返した後、「そこまで言うなら手術を念頭に、一度網膜の専門の先生にも診てもらいましょう。」という事で、別の医師の紹介をうけ、数週間後に再度来院することに。

数週間後、紹介を受けた網膜専門の医師を訪れ、再び診察を受けましたが、やはりこの手術は相当難しいので今は薦められない。ただし後発白内障の手術をすれば視力はいくらか回復するだろうから、それで様子を見てはどうかとの提案を受け、すぐに実施することに。

実際は、手術といってもレーザーを使った簡単なもので、麻酔をするので痛みもないですがレーザーを目に当てる音が大きく不気味で冷や汗がすごかったです。

手術後の経過、そしてuntickleの存在意義

救い
それから現在一週間ほどが経ちましたが、視力が手術前に比べるとけっこう戻っている状態です。かすみはまだ残っていますが、ひとまず当面生活に支障は無さそうです。

といってもこれはあくまで応急処置で、顔にも症状が出ているうえ、叩く習慣もまだ改善できていないので、一ヶ月後どうなっているか予測がつかない状態ではありますが・・。でもひとまず良かったなぁと。

痒みを我慢できないように、アトピーにおいては知っていてもどうにもならない事が多々あります。

ここで「私のようにならない為に、痒くても顔を叩くのはやめましょう」と言うことは簡単ですが、私自身が手術した今でも叩く習慣を改善しきれていないので、訴求力がないことも承知しています。それでもこの事実を記事にすることで、私のような経験をする当事者が1人でも減ると良いなと願っています。

今回、後発白内障の手術を受けるまでは、焦りと恐怖心と絶望がごちゃ混ぜになった「ストレス」に何度も心が完全に折れかけましたが、家族の支え以外に、「untickle」を通じて出会った当事者仲間や、進めているプロジェクトに関連した方々(かなりご迷惑をかけていますが)との継続的なやり取りがあったお陰で、まだやれるという気持ちを維持できています。

当事者仲間の役に立つために始めたuntickleなのに、自分が一番救われているという想定外な現実には苦笑いですが、恩返しという意味も含め近く逆転できるようにしたいなと。その為にも引き続き活動を続けていきたいと思います。そしていまも絶望と希望のせめぎ合いのなかでアトピーと闘っている当事者の方々にとって、untickleがただ興味の対象ではなく、闘うために必要なツールとなれるよう頑張ります。

この記事は決して読んでいてワクワクする内容ではないので公開しようかどうか悩みましたが、アトピーが原因でこんな自体にもなり得るということを多くの当事者の方に伝えるためにuntickle上で公開することにしました。

そんなこんなでしばらく表立ったuntickleの活動ができませんでした。連絡できずにいた方々、本当に申し訳ありません。少しずつ対応しておりますが、見落としている場合もあるので、もし宜しければ改めてご連絡頂けると幸いです。

この記事を書いた人

野村 千代
野村 千代
untickle発起人。生まれつきアトピーで重度の症状により過熟白内障を患い失明状態に。その後も症状の悪化により3度社会生活を中断。2013年に本格的なアトピー改善に取り組むも、情報混乱のせいでなかなか自分に合う対策法が見つからず、苦労したことがきっかけで、untickleを立ち上げる。
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