アメリカでも約2000万人がアトピーを患っている!

 

こんにちは!NY在住untickleライターのtomoです。すっかりもう2014年も2月の半ば。時間が経つのはあっという間ですね。

前回の記事で、もう少し「Atopic Dermatitis(アトピー性皮膚炎)」について科学的な根拠に基づく情報収集をしたいな、と書きましたが、今回はその第一歩です。自分のアトピーに関する様々な「思い込み」が本当に正しいかどうか、色々と確認していくことを共有していければいいな、と思っています。

 

今回は「アトピーって日本に多いの?」といった事について。

昨年に大学院を卒業して、ニューヨークに移ってきてから、アトピーの症状が落ち着いています。もちろん、生活習慣や体調の波によって、時々悪化はするのですが、そういえば小学校の頃イギリスに住んでいた時もアトピーに苦しんだという記憶はありませんでした。

本当はよーく考えてみると大学/大学院時代(アメリカ在住)にしっかりアトピーに苦しんでいたのですが、それらの記憶をすっかり忘れ、単純に「海外にいるとアトピーって治るのかも」と考え始めつつあったくらい。

東京に戻る時に(一時帰国でも、数年間でも)ほぼ確実に毎回アトピーが悪化していたということのほうが鮮明に記憶に残っていたこともあり(今思うと食生活やストレスなど他に原因はあったと思うのですが)、しばらく「日本はアトピー持ちにとって辛い」「日本は相対的に人口当たりのアトピー患者数が多い」、そういう誤った思い込みをしていました。

ところが。

今回を機に少し調べてみたら、アメリカだってアトピー持ちの人、たくさんいるんですね、ということを知りました。

 

実はアメリカでもアトピー患者は多い!

usamap
▲画像元:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3130508/figure/F1/

 

例えば2007年の研究結果(1、2007年)によると、1780万人のアメリカ国民がアトピー性皮膚炎を発症していると考えられており、広義のEczema有病者においては3160万人とのこと。別の研究結果(2、2011年)においても(17歳以下の子ども達を対象)、2003年時点の結果でアメリカの子ども達の10.7%がEczemaとみられる症状を発症している、とありました。2007年のアメリカの人口が3億人強であったことを考えると、一つ前のデータともEczemaに関しては大きくはずれていない気がします。両方のデータからしてもアメリカの人口の5%前後はアトピー持ちであると推測できるのかも、と感じます。

そして、日本について。2007年に文部科学省が出していた「アレルギー疾患に関する調査研究委員会」(3)というところが出しているデータも参考にしてみました。

ここにある有病率も詳細を見てみると幅はあるようですが、アメリカの比率とあまり変わらない。つまり・・・自分の感覚で得ていた思い込みは間違っていたとデータが語っているということですね。

まったく「思い込み」というのは恐ろしい。「アメリカに移ったらアトピーが少し良くなったよ〜」と気軽にこれからは言わないようにしよう、と思います。

また、同じ国の中でもアメリカ内でのばらつき(こちらを参照)や日本国内でのばらつき(上記の文部科学省の資料のP22)をみると、単純に「都会vs地方」という結論も出せなさそうです。先週ニューヨークの郊外に数日滞在することがあって、気のせいか肌の調子が良くなったので「やはり空気・水が綺麗なところがいいのかも」と結論づけようとしていましたが、それもちょっと危険なようですね。

 

多民族国家ゆえにアトピーの人に気づきにくい?

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それにしても、どうして海外ではアトピーの人が少ないと思っていたのだろう。ニューヨークでは目に入る人、皆整った顔ですべすべの肌に見えるような気がする・・・。一つ考えられる仮説としては、日本と違って、ニューヨークでは元々街中を歩いている人達の外見がそれぞれ多様であるということが影響しているのかな、と。

日本人を見る時には自然と意識が向きやすい「肌の状態の違い」。見えてみるものが多様「すぎる」ニューヨークでは自分がその「肌の状態の違い」に対して鈍感になっているのかもしれないな、と。肌の色や体型の違い。髪型、メイクを含めるファッションセンスの違いに加え街中で取っている行動(大声で話していたり、歌を歌っていたり、喧嘩してたり・・・)もバラバラで他人の肌のコンディションのことは正直確かに見ている暇が無かった気もします。

今までニューヨークの公共の場で「あ、あの人アトピーだ」という人を見かけることが少ない=ニューヨークにアトピー患者の人は少ない、と思い込んで居ましたが、もしかすると自分が意識していなかっただけなのかもしれないので今後ちょっと意識してみようと思います!

 

※ちなみに、1990年と2010年で報告されるアトピー性皮膚炎の症例数の変化を掲載したこちらの研究結果(4、2012年)も発見しました。Figure2を参考にしてみてください。結論づけることはできない(&更なる研究が必要だ)とありますが、トレンドとしてはアフリカ大陸、東アジア、西ヨーロッパ、イギリスなどの北ヨーロッパに位置する地域の一部で増加傾向にあるという仮説が提示されています。

 

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【参考文献】
(1) Hanifin JM, Reed ML. Eczema prevalence and impact working group. A population-based survey of eczema prevalence in the United States. Dermatitis. 2007;18:82–91

(2) Shaw TE, Currie GP, Koudelka CW, Simpson EL. Eczema prevalence in the United States: data from the 2003 National Survey of Children’s Health. J Invest Dermatol. 2011;131(1):67–73.

(3) アレルギー疾患に関する調査研究報告書 (平成19年3月) – 文部科学省

(4) Deckers IAG, McLean S, Linssen S, Mommers M, van Schayck CP, et al. (2012) Investigating International Time Trends in the Incidence and Prevalence of Atopic Eczema 1990–2010: A Systematic Review of Epidemiological Studies. PLoS ONE 7(7): e39803. doi:10.1371/journal.pone.0039803

この記事を書いた人

Tomo
Tomo
1982年生まれ。生まれつきアトピー。2011年ステロイドを止める。中高時代(日本)、大学時代後半(米国)、脱ステ後の社会人時代(日本)と症状悪化期を"繰り返す"。脱ステ後は短期間在宅勤務へ切り替えた"時期"も。米国の大学卒業後、日本で外資系金融機関勤務、社会人向け教育サービス企業勤務を経て、教育学大学院に1年留学。現在ニューヨーク在住。現在ニューヨーク在住。インパクト投資系NPO勤務。IOCAのフェローメンバーとしても活動中。
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